パリ、テキサス / ヴィム・ヴェンダース


テキサスの砂漠に実在するといわれている「パリ」を探して放浪の旅に出たトラヴィス疲労のあまりガソリン・スタンドで倒れ込み、病院からの知らせを受けた弟に連れられ、ロサンゼルスの自宅に帰っると、4年前に置き去りにした幼い息子と再会する。しかし妻の姿はない。トラヴィスは息子と次第に親子の関係を取り戻してゆき、共に蒸発した妻を捜す旅に出るが、紆余曲折をへて巡り会った妻に、彼は愛するがゆえの苦悩を打ち明ける・・・。

ヴィム・ヴェンダース監督が、サム・シェパードのシナリオを得て、ロード・ムービーの頂点を極め、カンヌ国際映画祭グランプリに輝いた秀作。けだるさと哀感漂うライ・クーダーのギターとともに、ロビー・ミュラーが映し出す荒涼としたテキサスの風景が、美しくも孤独で、じんわりと心に染み込んでくる。

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一年に一回は見ないといけないと思っているので雨の中チャリンコで早稲田松竹に行って見てきた。

名シーンだらけなのだけど、トラヴィスとハンターが道路越しに平行に歩いてハンターがトラヴィスの真似をするシーンとか二人が双眼鏡でハンターの母親を一緒に探すシーンとか、マジックミラー越しの有名なシーンとか、ハンターがホテルの窓のそばに座って(窓の外には高層ビルが見える)トラヴィスからの伝言を聞くシーン(トラヴィスから一緒には暮らせないと告げられる)とか、トラヴィスとその母親が抱き合うシーンとか、もういちいち素晴らしくて別に感想とかどうでもいいから書かない。

「お前の好きな映画を10本あげろ」と言われたら間違いなく入る一本。「5本」でも入ると思う。素晴らしい。手放しに賞賛できる最高傑作だと思う。