パンチドランク・ラブ / ポール・トーマス・アンダーソン


PTAことポール・トーマス・アンダーソン監督の、『ブギーナイツ』『マグノリア』に続く長編第4作。アダム・サンドラー(『ビッグ・ダディ』)とエミリー・ワトソン(『奇跡の海』)という異色カップルが織りなすオフビートなラブストーリーだ。
かんしゃく持ちのバリーとキャリアウーマンのリナの恋を彩るのは、誰かが路上に置いていった小さなピアノ(正確にはハーモニウム)。マイレージ特典の付くプリンなど、現代社会を象徴するアイテムの洪水の中、「パンチドランク・ラブ」=強烈な一目惚れから始まる、ただ一つの「無垢」の行方やいかに。
冒頭、静けさから一転して車がクラッシュするシーンからして「PTA節」満載。映像と音を自在に駆使して、場面場面のテンションを操っていく手腕が見事だ。現代アート作家ジェレミー・ブレイクによるビジュアルや、独特のサウンドトラックなどを含め、五感で「感じる」映画と言えるだろう。(安川正吾)

超久々のポール・トーマス・アンダーソン(以下PTA。但し二度と言及なし。)。何がすばらしいって、全く盛り上がらないからこの映画、というところ。冒頭でボーンって車がぶっ飛んで誰かがピアノ(じゃなくて、なんとかっていう楽器)を置いていくのだけど、特にそれに意味があるわけでもなく(まったくないわけでもなく)。

まあ、結局ダメな男が恋をして逞しくなる、みたいなありがちな感じなのだけど、いや、これいかんとも言いがたいです。ラブストーリーなのだけど全然盛り上がらないし笑。

ただ、このDVDのジャケ写にもなっているの上に貼った写真のシーンこれマジ最高なのでコレだけでもまあ見た甲斐あったかな。逆行で影になった二人のシルエットが人々の行き交う中でキスをするのであります。素敵だなあ。

全体的にはかなりアーティスティックな感じです。リナの住んでるマンションとかヘンテコだし。そういえば、スパイク・ジョーンズの『アダプテーション』を思い出しました。両方とも途中で変な映像が出てきたりするんですよね。

まあ、面白くないわけではないけど、特にオススメはしないです、はい。なんとなくコーエン兄弟の映画にも似てるような気がした。なんとなくだけど、。