動くな、死ね、甦れ ヴィターリー・カネフスキー

boy-smith2006-04-03


なんだかなぁ・・。

って、感じでした。

以下、あらすじを。

第2次世界大戦直後の極東ロシア・スーチャン。この町に住む少年ワレルカ(パーベル・ナザーロフ)は、いたずらで学校のトイレを溢れさせてしまい、退学処分になる。その腹いせに、ワレルカは以前自分を殴った機関士に仕返しをしようとして、列車転覆の大事故を起こし、逃げるように町を出るが、ワレルカはこれをきっかけに立ち直るでもなく、どんどん不良への道を進んでいくのだった…。無実の罪で8年間拘留された経験を持つビターリー・カネフスキー監督53歳での長編デビュー作。翌年のカンヌ国際映画祭ではカメラドールに輝いた。[105分/モノクロ/スタンダード] (Yasu)http://cinema.intercritique.com/movie.cgi?mid=4092

(観て考えたこと)

①女は強し
主人公のワレルカって男の子が、まぁ、悪いの何のって。いたずら坊主なんですよ。でもね、ガリーヤって女の子には、何でもお見通し。一枚上なんです。ワレルカは、何にも知らないお坊ちゃんで、いつも楽観的ですが、ガリーヤはそんなワレルカとちがって、冷静です。ワレルカが強盗と組んで悪巧みをしているところにやってきて、つれて帰るのも、ガリーヤです。ワレルカは、「ガリーヤは何でもお見通しだ!!」ってはしゃいでるんですが、ガリーヤがムスッとした顔で「あんた、帰るよ」的に強引に連れて帰ったりします。
でも、やっぱ、結婚するんなら、このくらい肝のすわった人と結婚したいものです。年上女房的な。「男のくせに女に頼るな」とかいわれそうですが、男って、たいしたことないですよ、いざという時。だから、女性の皆さん、いざという時に頼りになる男性を見つけたら、重宝したほうがいいかもしれませんよ。絶滅危惧種ですから。。

②死は救いか、悲劇か?
最近思うんですけど、小説とか映画って、「最後に死ねば終わり」みたいな方程式がありません?「死んだから、悲劇。悲しい」パターンと「死んで救われた。悲しいけど、よかった」パターン。今回は前者だったんですけど、後者もよく出会います。確かにこの作品はは、「やりきれなさ」や「絶望感」を生々しく表現してるのかもしれませんが(特にラストの部分。カメラマンが「もう子供を撮るな。畜生」ってつぶやく)、別に彼らが死んで、母親が狂う必要もないんじゃないかと思うんです。本当に絶望的な状況を伝えたいんだったら、何でワレルカとガリーヤが殺されるシーンを撮らないのでしょうか?*1何で、ガリーヤの死体だけ見せて、ワレルカの死体は見せないのでしょうか?個人的には、中途半端な「悲劇」はキライです。やるんだったら、もっと悲劇的「悲劇」にしてほしかったです。そこで、僕が「悲劇を通り越して喜劇だ」といえるのかどうか、そこまでいってほしかったです。

*1:死んでないらしい・・・??