パリ、テキサス / ヴィム・ヴェンダース

パリ、テキサス [DVD]

パリ、テキサス [DVD]

あらすじ。

アイデンティティーと居場所を見失った男が、徐々に失ったものを取り戻していくロードムービー。記憶を失った主人公トラビス。彼は、自分がこの世に生を宿した場所、テキサス砂漠の「パリ」を探す放浪の旅に出る。それは4年前に別れた息子と出会い、妻=母親を捜す旅の始まりでもあった。
未来を生きるために現実をみつめ、過去をふり返る人間の姿が美しく描かれている。脚本は、映画・演劇界のスーパーヒーロー、サム・シェパード。監督はロードムービーで高い評価を得ているヴィム・ヴェンダース。静かな映像のなかに時折流れる、スライドギターの音色が効果的。ストーリー、音楽、映像が見事にマッチし、珠玉の作品となった。84年カンヌ国際映画祭パルムドール、国際批評家連盟賞、全キリスト教会審査員賞受賞。84年、フランス・西ドイツ合作。(齋藤リエ)

ご存知ヴィム・ヴェンダースの『パリ、テキサス』。

「愛」について考えさせられます。

「愛」を見失った主人公トラヴィスとその妻(ナスターシャ・キンスキー)とその間に生まれた男の子。

「どこにも安全な場所なんてないんだ」

と叫ぶ男。

どこにも留まらずにただここではないどこかに歩いていこうとする男。

過ぎてしまった時間。

犯してしまった過ち。

失ってしまったものを取り戻すための旅。

それらが、ヴェンダースの美しい映像とともに描き出されます。

主人公が妻と鏡越しに話すシーン。

高層ホテルの窓際で一人テレビに背を持たれて座る少年。

緑色のネオン。

走り去る車、汽車、時間。

二時間半に詰まった「愛を探す旅」を是非ともご覧ください。