あこがれ / フランソワ・トリュフォー

少年時代に訪れる恋は

必ずしも

成就するものではない。

いや、

成就しないほうが多い。

「あこがれ」のあの女性は

年上で、

その成熟した身体は

美しい。

「あこがれ」ている僕は

未熟で

幼い。

叶わないのだけれども、

それでも

恋は

恋だ。

歳をとり

やがて成熟した時

恋は

恋では

なくなるのだった。