朝になるために必要な数多の素材。
あの日君が蹴り飛ばしたオモチャみたいな自動車
まるで僕のその先の人生のようで。
壊れた部品を拾い集めることもせずに
君は大笑いをしていたね。
あの瞬間から僕たちは最強の二人組。
ウラジミールとエストラゴン。
夕立が通り過ぎるのを
流れる雲眺めながら
じっと待った。
南の空には虹がかかり
僕らは奇跡を目の当たりにした。
時間は沈黙を始め
二つの廃棄物は神さまに背を向けた。
一瞬一瞬が彼らの世界で
苦しみが躊躇する。
生まれたての世界は
退屈なリズムに耳を澄まし
音をたてずに崩れ去っては生成する。
ふたつの絡まった言葉は埃とともに宙に舞い
朝の光とともに消滅した。
一つの朝が来るたびに。
一つの終りが来るたびに。