駄文

朝になるために必要な数多の素材。

あの日君が蹴り飛ばしたオモチャみたいな自動車まるで僕のその先の人生のようで。壊れた部品を拾い集めることもせずに君は大笑いをしていたね。あの瞬間から僕たちは最強の二人組。ウラジミールとエストラゴン。夕立が通り過ぎるのを流れる雲眺めながらじっ…

その頃毎日坂道を登っていた。

自分を取り囲む他の人たちって何考えてるんだろう、って思ってばかりいたことがあった。確か一年以上そんなことばかり考える日が続いて、そもそも自分と他人の違いって何だろうって思って、それはいつしか自分の存在自体を揺るがすようになった。

I can do something not bad. It's enough for me to live.

俯きながら歩く月明かりの下で夜の暗さが一層増していく。手に触れたものがすべて贋物のように思えてくる。それでも研ぎ澄まされた感覚は宙をくるりと旋回し、やがて元の場所へと戻って来る。「キー・ポイントは弱さなんだ」誰かがそんなことを言っていた。…

Monologue about everything wonderful.

季節の流れは思っていたより滑らかで速やかで吹き付ける風は未だに冷たいけどもうすぐ五度目の桜の蕾が開くらしい。目の前の世界にこの手が触れてその感触を覚えているうちに少しだけどこかにとどめておきたいと思った。溢れ出すイメージをどこかに残してお…

例えばそれは感覚の問題で。例えばそれは共通性とも呼べるけど。そんなものが一体なんだと言えるのだろう。それでもそれを大切にしたいのなら例えばそれは便宜的なものでしかあり得ないのかもしれない。諦めるしかないのだろうか。

パピルスで出来た夢。さめない。

いつものように。バランスが崩れる。何度も、何度も。何度も自分の立ち位置を確認する。どこにもないんだろうし。場所。ユークリッド空間なんて。位相空間なんて。今日は久々に大学院の研究室に向かおう。と思う。来年研究室に入る前にできることをボスに訊…

優しさって想像力のことでしょ?本当に優しくなるには本当の孤独を背負わなきゃダメなんじゃないの?「優しい」アイツより僕の抱える孤独の方が深いし、狭いし、暗いし。でも、僕は「優しく」なんてなれないよ。ずっとずっと「優しく」なんてなかった。

Raspberryな思い出

Raspberryアーティスト: TRICERATOPS,和田唱出版社/メーカー: エピックレコードジャパン発売日: 1997/07/21メディア: CDこの商品を含むブログ (3件) を見る 土曜の夜 テーブルはさみ全て教えてくれた 君はそうさ いつだって今も変わらず僕のもの容赦のない言…

消えかけた光の中で ありきたりの病に罹る

「もしあの時」という問いが成立するのなら、誰もが「そのとき」すべきであったと考えられる行為を行うだろうか。どうして脳は覚えておきたくないものばかりを記憶の井戸の底にたまった過去の屍骸から見事に見つけ出して掘り返してくるのだろう。「あの時こ…

エゴイスティックな反復装置。

時速4キロの速さで歩く僕は時速1400キロで自転する地球の上で取り残される。地球の遠心力で宇宙に放り投げられたらまた一人ぼっちだ。そっと耳をすませても地球の廻る音は聞こえないけど雨脚が強まってくるのははっきりと分かる。君の近づいて来る足音にどき…

「何かいいことでもあった?」なんて訊かれると困っちゃうよ。だって、今がその瞬間なんだから。

ラズベリージャムの誰も知らない過去。

生まれては消えていく言葉たち。変わらないことには安心感と不安が共存する。変わることには高揚感と不安が共存する。変わろうとも変わるまいともしないことには安心感と退屈が共存する。退屈な世界に石ころ放り投げたら少しくらい波立つのかなとか思ったり…

大切なものは何かって訊かれたら、それって何だろうって考える。何かを得るということはそれを失うということを意味する。失われたものはどこへ行くの?きっと元あった場所に帰るのだ。元あった場所。どこ?その場所の記憶は失われた。最初からないのかな、…

惑星K

もう帰れないのだろうか。変わってしまったのは必然。時は僕らの歩幅に合わせてはくれない。失われたものを取り戻すための旅で再び多くのものが失われる。反復。人が記憶することが出来なければ、「赦し」なんて必要ないの?罪。結局何が欲しいの?欲しいも…

今夜は雨降り日曜日。

日曜日だというのに雨。幸せそうな家族も楽しそうなカップルも雨。眼鏡なんてかけなくても大丈夫。何を見るっていうの?灰色の世界は雨といっしょに流されてしまうじゃない。行き先?いつだってキミのところ。心配そうな目駆け足で追いついてきて。まっすぐ…

蝶々結び

気が付けば夏は終わり秋の気配が夕暮れの風の中に感じられる。何かが終わった。何かが始まる。明日の朝日焼けした友達と夏休みの思い出を話す小学生や中学生や高校生やそんな日々は随分前に過ぎてしまって明日からもどこかへ足を運ぶそんな義務は全然なくて…

されば雨はいつか降らん

友人はみんなでキャンプ。僕は一人でダンス。誰だ、院試なんて受けようと思い立ったやつは?何々、君かね。一体何の研究がしたいのかね?はい、自分でも一体これが何の研究なのかわかりません。だったら、企業に就職しなさい。しかし、企業に就職なんてして…

ミステリアスに混乱しろ

タダでさえ何も進まない毎日の頭上の上から声が聞こえる。サクリファイスだ。混乱に乗じて声は聞こえる。それは君の声。赤ん坊を抱いている母親の横でそんな姿を見せるだなんて。

しゅうでんにのりこめ!!

いまさらながらきづいたというわけではないのだけれども、じぶんはほんとうにまともにいきていけるのだろうか?ぎもん、ぎもん、ぎもんのかいぎてきじんせい。ますたー、ねこをいっぴき。それと、しんがぽーるすりんぐもわすれずにね!!

 僕も一緒に探してみるよ

なんか知らないけど今日は「海の日」という特別な日で世間では三連休だったらしい。街には人があふれ時々降る雨に少しだけ悲しげな表情を浮かべていた。梅雨が明けるとやがて太陽が燦燦と輝く夏が再び訪れる。毎年夏が来るなんて保障はどこにもないはずなの…

 fall down from your sky

僕はいつも頭上を気にしながら歩いているわけだけど、それは上から人が落ちてくるのではないかと思っているからで、実際に、昨日新宿で上から人が落ちてきた。落ちてきたといっても僕は新宿の高島屋にいたわけでもなくて、ただ、新宿にはいた。やはり上から…

 芸術的レスポンス

公園を自転車でぶーんと走っていたら、おじさんが座ってて、その横に、天地逆転してひっくり返った鳩が転がっていた。黙々と作業をするおじさん。黙々と死に続ける鳩。黙々と自転車をこぐ僕。黙々と照り続ける太陽。黙々と過ぎてゆく時間。黙々と廻り続ける…

 さよなら

何か長年使っていたものを捨てるというのはいつもすごく勇気がいる。もっとも古い記憶から手繰れば、小学生のときに、僕が生まれたときから飼っていた金魚を川に逃がしたことがあった。いつも家の二階に聞こえていた水槽のポンプの音が聞こえなくなった夜の…