蝶々結び

気が付けば

夏は終わり

秋の気配が

夕暮れの

風の中に

感じられる。

何かが終わった。

何かが始まる。

明日の朝

日焼けした

友達と

夏休みの思い出を

話す

小学生や中学生や

高校生や

そんな日々は

随分前に過ぎてしまって

明日からも

どこかへ足を運ぶ

そんな義務は

全然なくて。

ねえ、

僕は

君に

言ったよね。

「オレがまともだったことなんて一度でもあっただろうか?」

「居場所がないんだよ」

君は

その言葉の意味が分からず

「ホントに映画が好きなんだね」

って

言ってたけど

そうじゃないんだよ。

映画を

「愛している」んだ。

「好き」なことと

「愛している」ことと

「恋をしている」ことは

違うんだよ。

僕は君に「恋をしている」のかな?

君は僕に「恋をしている」のかな?

赤い糸が見えたときは

すぐに言ってね。

僕は

目が悪くて

この糸が

何色なのか

見えないんだ。