冷たい風。

考えてみたら、という書き出しで書き始めようと思ったのだけれどそこではたと考えるのをやめて考えてみるといつも考えてばかりじゃないかと思ったのだけれど、考えるをやめて考えるという行為は非連続なのだけれどある意味では連続なのだなあということに気づき、こういう非連続性とか非線形性とか世の中には色々見られるのだけれど本当にこういったものを理解するにはどうしたら良いのだろうか。雨の降る中、傘をさして原宿を歩いた。

久しぶりに原宿の裏通り、というかなんと表現したらよいのか分からないのだけれどキャットストリート(という名前だった気がする)のもうひとつ二つくらい奥の通りを歩いてみたのだけれど以前はストリートブランドの店がちらほらある程度だったのがカフェやらなにやら出来ていて賑やかになっていたので驚いた。April77のフラッグショップまであった。そうはいっても今日はAcycleに行くのが目的だったのでインターナショナルギャラリーの後にふらふら行ってみたのだけれどなかなかいいものがない。そしてついにはインターナショナルギャラリーにもファクトタムが。

それはともかくその何とか通りを歩いていると、噂なのか噂じゃないのかは知らないけれどMarc by Marc Jacobsのフラッグショップがあって、何だココにあったのかここは通らないよ、と呟きつつ何階が男物か分からないしどうやって上に行くのかも分からなかったので(外から中が見える)、そのままスルー。表参道を歩いているとイルミネーションがきれいでそろそろそんな時期なのだなあときょろきょろしてしまって、青山を歩こうと思ったのだけれど青山通りにぶち当たる手前でくるりとターンして引き返してイルミネーションを楽しみながら遊歩道へ向かった。

遊歩道も久々に歩く気がしたのだけれど、そういえば最近は原宿から渋谷へはABCに必ず寄ってから行くからなのだなあと気づいた。カンナビスに入ろうかと思ったけれどなんとなく気分ではなくて入らず街行く人々を眺めながら寒い寒いと呟いて歩いていたらやっぱりABC行きたくなって結局行った。洋書がセールだったので色々眺めたのだけれど前からほしい気がしていたヴィヴィアンのやつがあって買おうかと思ったけれど中身を見てやっぱりやめた。サイエンスの専門書があったらいいのになあ、とか思って探したけれどサイエンスの一般書しか見つからずマット・リドレーの本とかあったけれど邦訳されているものばかりだった。他には人文書デネットとかギデンズとかカントとかジジェクとかデリダとか色々あったのだけれど邦訳されているものが多かった。多かったのだけれど、ペーパーバックは大変安いということが判明してこれからは邦訳が出る前にペーパーバックで読めばいいじゃないかととおもったのだけれど、そうすると今読みたいのはドーキンスの『The God Delusion』で、たぶんこれは邦訳されていない気がするので、邦訳されていなかったら読んでもよいかもしれないが未だに『利己的遺伝子』も読んでいないという事実がここにある。ここにあるし、とりあえず本は買い過ぎなので自粛して外の自販機でココアを買っていつものように青山劇場の横をふらふら歩く。相変わらずここを歩くと寂しい気持ちになるけれど一体何なのだろうかうむむと考えてみたのだけれど特に理由も思いつかなかった。山手線の下を潜り抜けてタワレコに行き色々試聴し、ロフトに寄って石鹸とトリートメントを買って帰った。

帰り道の山手線の中で考えていたのは、自分が一番面白いと思えることって結局何なのだろうなあということで、それはどうにも今いる研究分野で人間がどうとか生命がどうとか社会がどうとかそういうことを議論・研究することであって、研究会に行ってあーだこーだ言っては一緒になんでだろうねえしかし・・と大の大人が揃いも揃って虫を観察してはしゃいだり、「子供の不思議」みたいなことを真剣に議論して一生懸命考えているという光景を目の当たりにするたびに嬉しくなってしまうし、いつも研究の話をした後は楽しかったなあと思って、もっと知りたいなあとドキドキしながら論文や本を漁るというこの生活の繰り返しは本当にかけがえのないもので、ああ知りたいなあと心の中で呟くのだけれど、何が知りたいってやっぱり人間のこと知りたいなあと思うし、人間って何でこんななんだろうということばかり考えてしまうので一体どうしたらよいのだろうか。どうにもならないので明日からまた黙々と勉強をするのだけれど、本当に考えれば考えるほどこんなの勉強じゃないよね、と思うしそう考えたら大学院に入ってからいわゆる「勉強」というのをやった覚えがなくてこれは大丈夫なのだろうかと多少不安ではある。が、ここ数日はそうした不安は特になく、なんとかなるよ、と自分に言い聞かせているのでなんとか安定していて、来週から大学の授業が始まるだろうし今期はN先生のゼミでI上研の自然科学者のタマゴ(仮)の刺客としてAutopoiesisがなんぼのもんじゃいLuhmannがなんぼのもんじゃいと暴れたいのでとにかく頭を使ってもっと学ばねばいけないなあと思うし本気でそろそろ書くもの書かなければいけない。

この調子でなんとか冬学期を乗り越えたいなあという感じで、生活リズムを正して頑張ろうと思うのだけれど相変わらず心配なことがあって、本当に困ったものなのだけれど、元気だといいのだけれど、と思う。もし元気ではないのだったら元気を出してね、と言いたいのだけれど、伝わるかどうかはわからない。世の中はわからないことばかりだ。

If I Ever Feel Better

PVよりいい。銀座ですな。