ぐるりのこと。*1 / 橋口亮輔

シネマライズにて。

少し前に見た。なんだか映画が見たい気分で、ぶらっと渋谷に出て、ぼけっと見た記憶がある。

予告編が素晴らしかったことと、周りで見ている人が多かったことから期待して見に行ったのだけれど、結果としては、残念な結果に終わった。

なんだか苦手だ、というか、悪くないのだけれど、グッとはこなかった。

内気な性格ゆえか、自分の中に溜め込んでしまう女性が鬱になるのだけれど、それを夫が支える、みたいな話で、なるほどこれって愛かもね、とか思うかというと、どうにも自分には思えなくて、暗い部屋で一人ぼうっとしている木村タエをフランキー氏が抱きしめるシーンとか、素敵だとは思うのだけれど、だって、抱きしめたら鬱なおるだなんて、すごいじゃん魔法じゃん、とか驚いてしまって、でも、人ってそんなものであるような気もする。

なんとなく思ったのは、これは女性のための映画なのだな、ということで、男目線だと、なんというか、これは愛じゃない気がする*1。「パリ、テキサス」のトラヴィスみたく、愛しているのだけれど、会えないし、触れられないし、どうしようもない、というのが、僕にはしっくりくるのだけれど、それって報われない。哀れ。

*1:こんな演技で良いのなら男なら誰でも出来る。