東京物語 / 小津安二郎

東京物語 [VHS]

東京物語 [VHS]

で、こちらが本家、東京物語

あらすじ。

広島は尾道から、東京に住む子どもたちを訪ね歩く老夫婦。しかし、子どもたちはすでにそれぞれの生活と人生を抱えており、夫婦は邪険に扱われてしまう。親身になってくれるのは、戦死した息子の未亡人だけである。やがて夫婦は故郷に帰っていくのだが…。
名匠として世界中の映画人に多大な影響を与え続けている、小津安二郎監督の代表作である。戦後がもたらした家族崩壊という社会問題を底辺に置きながら、人間それぞれがもつ孤独や断絶の想い、死生観などの、小津監督ならではのモチーフが、静穏なモノクロ画面から淡々と、しかし明確に醸しだされる。人間ドラマの傑作といえるだろう。老夫婦役には、笠智衆東山千栄子。未亡人役の原節子の美しさもひときわ印象的だ。(的田也寸志

ほんと、家族って何なのかしら、って思わせられる作品ですよね。

邪険に扱われる老夫婦は、まったく文句ひとついわず(特におばあさんは体の調子が悪いにも関わらず)、落ち着いた口調を続けます。

で、僕は

「なんて下手な芝居だろうか」

と思ってしまっていたのですが、

おじいさんが酔っ払って家に帰ってくるシーンを見て、それも芝居なのだということに気づいたことを覚えています。

年をとると、

最後は誰にも必要とされずに、ただ死を待つのみ

ということなんですかね。

感事 于濆

花開蝶満枝
花謝蝶還稀
惟有旧巣燕
主人貧亦帰

燕すら戻ってこなくなれば、あとは「死」が迎えにくるだけなのでしょう。