ダンサー・イン・ザ・ダーク / ラース・フォン・トリアー
- 出版社/メーカー: 松竹
- 発売日: 2004/11/25
- メディア: DVD
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あらすじ。
ビョーク扮するセルマは、チェコからの移民。プレス工場で働き、唯一の楽しみはミュージカルという空想の世界を創りあげること。遺伝性疾患のため衰えていく視力と闘いながら、同じ病に侵された息子の手術費用を稼ぐため身を粉にして働く毎日。そのセルマにあまりに残酷な運命が待ち受けていた…。
「非の打ちどころのないすばらしい音楽の美と、不完全で醜悪な現実が並列して描かれている。同時に演奏する2つのオーケストラのように」と同名の書で評されているように、これほど観る人のあらゆる感情を暴力的なまでに呼び覚ますミュージカルはほかにない。ラース・フォン・トリアー監督が「ビョークはセルマであり、セルマはビョークだった」と述べたように、ビョークはセルマを演じるというよりも、セルマに心を宿したビョーク自身がメッセージを投げかけているようにみえる。
洗練されすぎたカメラワークを嫌う監督が、100台のカメラを駆使して撮りあげたトリアーワールドは絶対に見逃せない。本作は2000年カンヌ映画祭でパルムドールに輝いた。(野澤敦子)
僕が高校生のころに話題になっていた作品。
非常に有名な映画ですね。
トリアーといえば、最近では「ドッグ・ヴィル」で冷酷でかつ美しい世界を示しましたが、今作品も非常に美しくかつ残酷。
彼が政治的な意味合い(別に政治に帰着させなくても、人間の本質的な部分に触れている、といえばそれまでではありますが)を含めた映画を撮ることは有名ですね。
この作品の中でも、それは色濃く見られます。
法廷で(正確には「現実」ではない)「夢見がちな共産主義者」と揶揄されます。
男を殺した後に、アメリカの星条旗がうつるところ。(明らかに狙ってる)
息子の手術費のために稼いだお金を奪う隣人の警官。
理由は妻が浪費家だから。
彼女に「愛して」もらうため。
セルマに撃たれた後、彼は言います。
殺してくれ
彼自身、当然分かっていたのです。
自分が「愛されて」はいないこと。
でも、考えなかった。
自分が本当に彼女を「愛している」のか。
死ぬまで離さないお金。
彼にとっては価値のないお金。
セルマにとっては「愛する」人のためのお金。
欲しいものが欲しいんだ
全ては「愛する」人のため。
彼女を愛する男は彼女に尋ねる。
どうして病気が遺伝すると分かっていて産んだんだ
答え。
赤ちゃんが抱きたかった
それって「夢見がち」?
そして、ラスト。
否、最後から二番目の歌。
結末。
幕は閉じられる。
観客から舞台は見えない。
これで終わり?
これで終わりではないのです
セルマが語っていた通り、カメラは頭上高くへとスクロールする。
さあ、僕たちはこの映画を終わらせるのか?
それとも・・。
ねえ、安倍晋三さん。