曖昧モコモコ。ハワイアン。
数値計算の授業も無事終わり、庭でひたすら読書をしていると、日が落ちてきて真っ暗闇になった。
あくる日の朝には何かに目覚めるかもしれないというのに、てんでその兆候はない。
最近はカフェ・オレがお気に入りで、ごくりごくりと一口飲むたびになんだか大人になった気分。
そのうちビールも飲めるようになるかもなー、なんて思いながら学食で夕食を食べようと決める。
すると、レジに立っていたオネエちゃんが唐突に滑らかな関西弁で「517円になります」って言うもんだから思わずドキリとする。
新入りじゃないか。
いつもはガラガラ声のおばちゃんだからなんだかそれはそれで温かみがあって良いのだけれど、さすがにドキドキはしない。
参ったなー、意表をつかれたなー、なんて思いながらメンチカツを食べると思いのほか美味しい。
以前は昼も夜も学食で、まるで付き合い始めの恋人のように慕っていたのだけれど、如何せん4年目だからそんなに毎日は顔を合わせられない。
しかも、彼女とは今年でお別れで、でも、きっとまた来るさ、なんて心の中では思ってみたりする。
心には思えど、口にはせず。
そりゃあ、そうだ。口に出したらただの変なお兄ちゃんだものね。
明日はなんか知らないけど授業がないらしい。
おや、どうやら本当らしいのです。
ということは、図書館で映画なのであります。
とりあえず、トポロジーとか「かんすうがたげんご」周辺の本をさらりと借りて行く。
そう、お勉強もしっかりやって、ご趣味も嗜む女性が好きなのであります。
お盆をひっくり返して、わー、とか言ってるような子も好きなのではありますが。
まるで騒々しくて、ひどく静かなこの人生に彩を与えてくれればそれで良いのです。
緑色の小指のように。