人のセックスを笑うな / 山崎ナオコーラ

人のセックスを笑うな (河出文庫)

人のセックスを笑うな (河出文庫)

「幸せってなんだか知ってる?」

「知らない」

オレが答えると、真面目な顔をしてユリは言う。

「こういうことだと思う」

ユリは泣き始めたみたいだ。涙を、オレは舐めた。彼女の気持ちはよくわかった。大事な人と抱き合って新しい年を迎えるということは、陳腐なようでいて、実は奇跡だ。

布団の国のお姫様と王様の気分で眠った。

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山崎ナオコーラ  『人のセックスを笑うな 』より

19歳の主人公と39歳のユリの愛とも恋ともつかないような関係を描いた作品。

19歳と39歳の男女の恋物語なのに、なんだか(台詞や雰囲気だったりが)中学生同士の恋愛みたいで不思議なテンポで進んでいきます。

高橋源一郎も解説で書いていますが、まさに「ありのまま」を書いたような文体で、なんだか題名をこんなのにしなくても良かったんじゃないか、って思っちゃいました。

あと、どこか男目線になりきれてないかな、って感じもしました。

っていうか、解説のところの話ばかりで申し訳ないですが、舞城王太郎が男だって誰が言ったんですか?

僕は女性だと思っているのですが・・。