読書

それから 夏目漱石ただただ傑作。あまりの物語のうまさ、心理描写の巧みさに、ほれぼれしていた。あるいはあの狂気。人間であるということは、狂気であるということなのだろう。十代のときに読んでいた漱石の作品とはまったくちがった見え方がした。読み継が…

最近読んだ本の一部

ムッシュー・テスト ポール・ヴァレリーどんな話なのかは知っていたけれど、読んでいなかったので。テスト氏の「分からなさ」に人々が魅了される話なのだけれど、あまり好きではなかった。分かりにくいことが面白い、偉い、という考え方を放棄したからだと思…

相変わらずキリシア文学、ギリシア哲学。来月からは海外で読まれている本(英米の現代文学とか、ビジネス書とか)にも手を出してみたい、分かりやすく書かれた英語くらいしか読めないけれど。インターネットにおける言語の壁はよく言及されるのだけれど、本…

シェイクスピア ハムレットQ1 素晴らしく面白かった。シェイクスピアの美しい詩と登場人物の魅力的な台詞の数々、物語性。大変有名な台詞、「To be, or not to be」を無事拝むことができた。ところでQ1というのは第1クォートというかつてより海賊版として流…

アリストパネス 女の平和 世界史を勉強した人は誰だって知っている古典。男たちの戦争を止めるために女たちがセックスストライキを行う喜劇、と言われているけれど、さほど喜劇には思われなかった。現代でいうところの「下ネタ」満載ではあるのだけれど。物…

ソポクレス アンティゴネー 傑作。オイディプス王の続き。オイディプスの娘アンティゴネーの誇り高い行動に心打たれたり。なにより美しい詩。ただし悲劇。 ギリシア文学・哲学への関心が続いていることにすこし驚いている。西欧の芸術や文化を通して日本の文…

読んだ本

ルソー 孤独な散歩者の夢想 ルソー晩年の作品。晩年は植物学に傾倒したらしい。自分の子供を孤児院に入れたり、といろいろ奇行じみたこともやっていたようだけれど、ごくごく普通の回想録だった。ジョン・ケージも晩年は熱心にキノコ採集を行ったようだし、…

最近読んだ本の一部

ホイットマン おれにはアメリカの歌声が聴こえるトマス・マン ヴェネツィアに死すスティーヴンソン ジーキル先生とハイド氏ヘミングウェイ 老人と海ソポクレス オイディプス王 古典を片っ端から読んでみようかな、と目論んでいる。一番面白かったのはオイデ…

これからここは文学ブログになります

極上掌篇小説作者: いしいしんじ,石田衣良,伊集院静,歌野晶午,大岡玲,大崎善生,片岡義男,勝目梓,車谷長吉,玄侑宗久出版社/メーカー: 角川書店発売日: 2006/11メディア: 単行本 クリック: 13回この商品を含むブログ (43件) を見る相変わらず読んでいる。さま…

死を食べる―アニマルアイズ・動物の目で環境を見る〈2〉作者: 宮崎学出版社/メーカー: 偕成社発売日: 2002/02/01メディア: 大型本購入: 2人 クリック: 25回この商品を含むブログ (11件) を見る これすごくいい。死んだ動物を他の動物が食べて跡形も無くなる…

カフカ田舎医者作者: 山村浩二,フランツ・カフカ出版社/メーカー: プチグラパブリッシング発売日: 2007/11/01メディア: 単行本 クリック: 7回この商品を含むブログ (11件) を見るhttp://www.shochiku.co.jp/inakaisha/introduction.htmlカフカ実はあまり読ん…

カツラ美容室別室 / 山崎ナオコーラ

カツラ美容室別室作者: 山崎ナオコーラ出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2007/12/07メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 28回この商品を含むブログ (93件) を見る エリは紺色のシャツを着て、小さく座っている。美容室にいるときに捉えていたよりも、…

そら頭はでかいです、世界がすこんと入ります作者: 川上未映子出版社/メーカー: ヒヨコ舎発売日: 2006/11/01メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 79回この商品を含むブログ (73件) を見るたかだか日記なのにお金を出して買わせるとは。芥川プライズ取るので…

哲学したい

翔太と猫のインサイトの夏休み―哲学的諸問題へのいざない (ちくま学芸文庫)作者: 永井均出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2007/08/01メディア: 文庫購入: 5人 クリック: 41回この商品を含むブログ (75件) を見る哲学面白いわー、と思わせてくれる。(まだ全…

などというカテゴリーがその昔存在した。

最近は専門書ばかり読むからなー。先端で、さすわさされるわそらええわ作者: 川上未映子出版社/メーカー: 青土社発売日: 2007/12/01メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 157回この商品を含むブログ (73件) を見るなかなか独特の文体ですな。カワカミミエコ…

最近

『The Economist』を読み始めてみた。続く気がしないが。*1英語が結構難しくて苦戦。あと、『nature』も定期的に購読しようと思っている今日この頃。 *1:続いたらエリートサラリーマンになる日も遠くないよな笑。

かった。

Sociology作者: Anthony Giddens出版社/メーカー: Polity Pr発売日: 2006/08/07メディア: ペーパーバック クリック: 15回この商品を含むブログ (15件) を見る第四版の英語版を。最近英語ばっかだから読めるかなと思って。社会学おもしろい。

こんなのとか。

美術手帖 2007年 08月号 [雑誌]出版社/メーカー: 美術出版社発売日: 2007/07/17メディア: 雑誌 クリック: 1回この商品を含むブログ (9件) を見る東京の美術館が狂ったように載ってる。東京都心さんぽ (散歩の達人エリア版MOOK)出版社/メーカー: 交通新聞社発…

静かな生きづかい。

雪沼とその周辺 (新潮文庫)作者: 堀江敏幸出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2007/07/30メディア: 文庫購入: 9人 クリック: 56回この商品を含むブログ (155件) を見る 午前十一時から営業をはじめているのに、客はひとりもあらわれなかった。木曜日はいつもこ…

立ち読みも濫読の一種です。

ヨゼフ・パレチェク『魔法の果樹園』他 [DVD]出版社/メーカー: 日本コロムビア発売日: 2007/02/21メディア: DVD クリック: 1回この商品を含むブログ (2件) を見るパレチェクっていうんですって。ABCでわーってなってました。かーわいいねこの絵。先日友人が…

最近の本。

FUDGE (ファッジ) 2007年 07月号 [雑誌]出版社/メーカー: ニューズ出版発売日: 2007/06/12メディア: 雑誌この商品を含むブログ (9件) を見る相変わらずFUDGEかわいい。(BRUTUS (ブルータス) 2007年 8/1号 [雑誌]出版社/メーカー: マガジンハウス発売日: 200…

浮世でランチ / 山崎ナオコーラ

浮世でランチ作者: 山崎ナオコーラ出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2006/09/12メディア: 単行本(ソフトカバー) クリック: 16回この商品を含むブログ (96件) を見る 小さい頃は、この世界に不慣れで、いつも不安だった。自分の周りにあるものが一体な…

そして僕もブックオフを肯定する。

カメラ (集英社文庫)作者: J・P・トゥーサン,野崎歓出版社/メーカー: 集英社発売日: 1996/06/20メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 17回この商品を含むブログ (17件) を見る大学生の論文執筆法 (ちくま新書)作者: 石原千秋出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: …

みんな元気。 / 舞城王太郎

「行ってらっしゃい。頑張ってね」と私は笑う。「おす、じゃあ行ってきます」 と手の平をさっと上げてから父はロケット噴射で空にバシューンと小さくなる。杉山家は雲の彼方でもう見えない。父の姿も見えなくなる。 私はそのまま一人で空に落ちる。 三方から…

ゴドーを待ちながら / サミュエル・ベケット

「ディディ。」「うん。」「おれは、このままじゃとてもやっていけない。」「口ではみんなそう言うさ。」「別れることにしたら? そのほうがいいかもしれない。」「それより、あした首をつろう。 (間) ゴドーが来れば別だが。」「わたしたちは救われる」 …

ニナグゥワ!

girls' holiday!表紙の女の子の一連の写真が本当に良かった。というか、この人やっぱすごい。こんな写真撮りたいなあ。淡い感じの写真もいいけどヴィヴィッドなのもいいなあ、と思った次第。

生きてるだけで、愛。 / 本谷有希子

生きてるだけで、愛作者: 本谷有希子出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2006/07/28メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 36回この商品を含むブログ (140件) を見る あたし、楽されるといらつくんだよ。あたしがこんだけあんたに感情ぶつけてるのに楽されるとね…

新刊メモ

記号と事件―1972‐1990年の対話 (河出文庫)作者: ジルドゥルーズ,Gilles Deleuze,宮林寛出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2007/05/01メディア: 文庫購入: 4人 クリック: 92回この商品を含むブログ (78件) を見る使える現象学 (ちくま学芸文庫)作者: レス…

伝わらない言葉。届かない距離。

『目覚めよと人魚は歌う (新潮文庫)』 / 星野智幸 大きな目は少し緑がかって睫毛が長く肌は薄いシナモン色をした日系ペルー人の青年ヒヨヒトは、暴走族との乱闘事件に巻き込まれ伊豆高原の家に逃げ込んだ。そこでは恋人との夢のような想い出に生きる女・糖子…

今日の戦利品

意味と他者性作者: 大澤真幸出版社/メーカー: 勁草書房発売日: 1994/12/01メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 4回この商品を含むブログ (16件) を見る古本屋でゲット。久々に大澤を学ぼうか。やはりここら辺の議論は結構好き。「自己」とか「他者」とか連…