You are a lachanophobia. I'm a coulrophobia.

自分にはきっと何にも出来ないなー。っていう独り言が失望感に入り混じった朝を迎えた。

空晴れてるのに。青空。珍しく日当たりの悪い我が家に日が差してきた。

春なのね。春かしら。

今日こそ何か成し遂げようと思ふのだけれど、如何せん成し遂げるべき物事が見当たらない。それは何気なくふらふらと歩いていたらコツリと靴のつま先に当たって、痛っ、いや靴はいてるから痛くはないや、いかんいかん靴を履いていることを忘れていた、ところで何だろコレ、みたいな感じでそっと手に取ってじっと眺めていると何とそれが成し遂げるべきことであった、みたいなセンセーショナルでもなければセンチメンタルでもない出会いとして目の前にある日現れるのではないかと日々待っているのだけれど。一向に来ないよ、春。

そういえば昔誰かが言っていた。果報は寝てまて。待ったけど来ないよ、春。

呪われた森に住む魔女にさらわれた王女を探しに行く。みたいなアドヴェンチャーこの現代社会にはありませぬか。さらわれませぬか、王女。探しませぬか、ドラゴンボール。この国には王女もいなければドラゴンボールもないのか。ウンザリだぜ。

そんなつまらないことしか思い浮かばない一日は一日とカウントしてよいのか躊躇われるのだけれどそれは躊躇われるべきことがらでありながら同時に憂鬱な毎日にぶらりとぶら下がるテレビで三回だけ見たことのあるナマケモノなる動物のようなものだと思うから、僕は怠けることにした。ああ、怠けることにしたよ。君に言ってるんだけど分かってる?なんて問いかけてみたけど君ってのは紛れもなく君のことだからもう説明しない。

一時間ほど寝て、図書館に行き、本を読み、明治通りを自転車で走り、エクセルシオールに行ってココアを飲み(そう、あのココアの上にのっかっているクリームが甘いのだ!)、洗濯ばさみに挟まれることもなく、永遠の愛を誓うこともなく、哲学書と理工書を読むことにしたよ。

ああ、天気いいな。すべてのものごとがうまく行けばいいのに。「変わらない過去より変わる未来を」だってさ。やっぱ偉業をなす人は違うね。過去も未来も現在も見えない盲目の浮浪者には何も成し遂げられないということか。でも、盲目のサムライは映画界ではもっぱら持て囃されているからそれはそれでカッコイイかもな。ああ、でもサムライなんてものから随分遠いな自分は。浮浪者がお似合いだ。侍。待つ侍。似てるな漢字の感じが。運命か宿命か。可能性か蓋然性か。

くだらないので少し寝て家を出よう。

襲い掛かってくる数字と文字と音と声に出来る限り虚勢を張ろう。なんともきれぎれなる世界であることよ。

自分にはきっと何にも出来ないなー。っていう独り言が絶望感に入り混じった朝を迎えた。

晴れてるのにね空、青空。

春かしら。春なのね。