マンダレイ / ラース・フォン・トリアー


ドッグヴィル”の町を焼き払った(「ドッグヴィル」のラスト)グレース(ブライス・ダラス・ハワード)は、父親(ウィレム・デフォー)らと共に新たな居住地を求めてアメリカ南部にやってきた。辿り着いたのはマンダレイの大農園。そこは非人道的な奴隷制度が存続している場所だった。「白人として、黒人に対する責任をとらなくては」と考えたグレースは、奴隷たちに人権についての教育を施そうとする。しかし、被支配者の立場に慣れてしまった黒人たちにはなかなか受け容れられないものだった。そのうちに悪天候による飢饉がやってきて……。

ご存知トリアーの『ドッグヴィル』の続編。トリアー今鬱らしいから『ワシントン』は撮れないのかな?何はともあれ見てみるわけで。

ドッグヴィルの特徴といえばなんと行っても白線で書かれたセット。これは健在です。ただ、今回はこの見えてるのに見えてないというセットの特徴があまり生かされてなかった気が。前作ではこの「透明な壁」がかなり効果的に使われていたのだけれど、勿体無いなあ、と思った。とにかく、セットが全然生かされていない。まあ、前回フルに生かしたからもう使いようがないのかもしれないけど。

で、内容。奴隷制に焦点を当ててるのだけれど、前作同様「一見正しそうな方法というのは本当に正しい方法なのだろうか」みたいなことを問いかけます。また、徹底的に人間の深部に迫る迫る。人間の嫌な部分を見たくない人はトリアー見てはダメで、性善説を信じている方は是非とも見ないように気をつけてください。

ということで、やはり『ドッグヴィル』の方がかなり良かったです。ブライス・ダラス・ハワードが何かよく分からないけどかわいいなあ、と思った。写真いっつもかわいくないのに。肌白っ!しかもキレイ!と女子みたいなこと思ったりしたりもしたというのはどうでもよいですな。