近いような遠いような。高いような低いような。空のこと?

それにしても激しく忙しい日々が終わって今はどうなのかというとたまっていた疲れがどっと効いてきていて、大学から家に帰った瞬間にバタンとベッドに倒れ、朝まで就寝といった具合でなかなか寂びれていて大学院生らしいのではないかと密かに喜んでいたりする。

それでもとにかく今は目標がきちんとあって、それは来年3月の学会に出て発表するやつと夏にイギリスである学会に出す論文の研究に関する仕事と、さらには6月くらいにある「じんこーちのー学会」に出す「何か」(さて、困ったぞ・・)の仕事なのだけれど、それにしても本当に自分にこなせるだろうかと実に心配で、でもまあシュウカツと比べれば楽なのではないかとか思ったりする。思ったりするし、いや、なんといってもこれ全部こなせばガクシン取れろかもしれないし、とれたら多少は生活が楽になるというか別に僕はお金のかからない生活が出来ないわけではない気がするし、だからむしろ贅沢な暮らしが出来るようになるのではないかとか妄想をするのだけれど、そうはいってもやっぱり現実的には質素な暮らしをするのだろう。

今、『生物と無生物のあいだ』という本(と同時に十冊くらい)を読んでいるのだけれど、それにしても研究者というのは遣る瀬無いなあと感じていて、特に実験系(化学・生物学)の研究者というのはこれほどまでに大変なのかと読んでいて頭がくらくらする。最近はうちの研究室もウェットな研究(フラスコ使ったり実際の生物を使ったりして行う研究)にもボスが関心を向け始めていて、先日は化学者が海外からはるばるいらっしゃったのだけれど、「ジッケンハタイヘンナノデス」とか「10カイヤレバ9カイシッパイシマス」とか言っていたので、想像以上にタイヘンのだろう。

かく言う今日は身体が大変不調で、インフルエンザではないかしらとか疑いつつ大学に着いたときにはぬわーっと身体が痛み始めて、こらあかんわ、と思いふらふらしていたら研究室に先輩が一人ポツンといて、二人でコンピュータを解体した。二人で「なんだかですねー」とかまったりとやっていると、先輩がハクションハクション言いはじめたので、「すいません、僕のがー」と言うと、「いやいやこの部屋がほこりっぽいからだよ」とか言ってくれるのだけれど、そのあと再び研究室を訪れたさいにもクシャミをしていたので、大変ごめんなさいな感じだった。なんだか風邪をうつすのは得意技の一つで、人に風邪をうつすと治りが早いのでありがたい。

なんだかねー、シュウカツの時期なのねー、とか思いつつ全く波に乗れていないというか乗るつもりも基本的にはないのだけれど、企業の研究所だけでも受けてみようと思っているので、それは受けなくてはいけなくて、でもリクルートスーツないし、髪長いし、頭おかしいし、悲しい。悲しい気持ちでみる西の夕焼け空はきれいではないかというと実際にはすごくきれいで、あー、とか、わー、とか、がー、とか、きゃー、とか思うのだけれど、一人ころころ石ころ蹴飛ばしながら考えるのは将来のことで、さてどうなるのかしらねえ、と見えない将来像を色々と思い浮かべてみる。結局自分が一番が楽しいと思えるような道とか人生をかけてよいと思える道を選べばよいのだろうけれど、一番上位にくる選択肢はきっとだれでもなかなか曲者がくるはずで、僕も曲者がきているのだけれど、さて、どうなるのかしらねえ。今日も研究室のパリジャンは、自転車で大学内を疾走していた。家族のために働くお父さんは頼もしい。