初夏相当数空事

しかしまあ、あっという間に時間は過ぎてゆき、今日が昨日になり、明日が今日になる。

どうにも相変わらず気持ちの波は激しく、かつ、しっかりと振動を続けており、目が覚めた瞬間に憂鬱な気分に襲われる日というのが2日くらい続き、本当に、困った。

さりとて家の中で本を読んで過ごす一日というのはよろしくないと思い、午後から街を徘徊する。仕事道具であるパソコンを買うべく秋葉原へ。中古のパソコンでいい感じのがないかときょろきょろきょろきょろ。某S社に行ったらば、安くもない中古パソコンを大量に売っており、すいませんthinkpadがほしいのですが、と訊ねたらば、ここら辺しかありません、と中国語訛りの日本語で店員さんがずらりと並べられた商品を指差す。しかしお兄ちゃん、これ、高いやん、もっと安い店ありまっせ、あの店とかこの店とか、とクレームをつけたらば、そうですねこの店高いんです、と答えるので、あかんやん、とツッコムと、すんません、人件費かかっとるんですわ、と謝るので、やれやれ、と呟きつつ他の店へ。

ははーん、これ安いやん、とじろじろ見ていたら、隣から眼鏡のお兄ちゃんが現れて、いやパソコンとか詳しそうなのだけれど、なんや店員さんに質問をしよって、一緒になって聴いていたらば、この男、我先にとそのパソコンを買いよるものだから、あああ、と茫然とその我が家にくるやもしれなかったパソコン、どんな名前をつけようかと悩んでいたパソコンさん、を見送るほかなく、頭の中で、ドナドナが流れてゆく。ドナドナドーナ、ドーナ。

仕方がないので、別の店へ。ここも中古パソコンでは有名だし何かあるのでは、ないかしら、と階段をたたたたたんと駆け上がって、がしゃり、とドアを開け、ありました、thinkpad。しかも安い。おうおうこれこれ、とじろじろじろじろ眺めていると、店員さんが、相変わらず中国語訛りの店員さんが、何かお探しですか、といいよるので、これとかいいのだけれど予算オーバーですねん、と言うと、これで限界です、と抗うので、ワタクシの財布にも限界があるのですよ、と突っぱねると、分かりました店長に訊いてみます、とどこかへテクテク。そしたらば店長さんやってきて、すんませんこれ限界ですわ堪忍、といいよるので、そうですかしょうがないですな、と店を出る。

なかなかいいのが見つからないもんやなあ、てな感じでアキバをふらりふらりと歩き回っていると、世界がぐるぐるぐるりと回り始めたので、これはいかん、と総武線へ駆け込んで、椅子に座って、ボルビックをごくごくごくり。

なんや大丈夫かいな、と危惧されることは体調のみならず、なわけで、現実逃避に山手線で渋谷へ向かう。相変わらずの人の量で、暑苦しくて、ハチ公や、ご苦労、と彼の横を通り過ぎて、交差点で信号が青になるのを待って、気持ちわるいなこの人の量、おえっ、吐き気を催すものだから、癒しの楽園HMVへ。

なにやらいろいろ試聴したらば、少し元気になって、胃が痛むけれど、頭の痛みよりは、楽だなあ、とひとりごちた。