たばこ

薬を飲んで、眠って、起きて、ため息をついて、眠って、起きて、という繰り返しを続けていたらお腹がすいてきたから、少しだけ重たく感じられる玄関の扉のノブをしっかり握り、ぐわっと前方に押し開けて外にとび出ると、春のにおいをのせた風が鼻先をやさしくくすぐった。

自宅のマンションから新宿や渋谷の街をぼんやりながめていたら、そんなに絶望的な気持ちにならなくたっていいんじゃないか、と気持ちが少しだけ楽になった。

煙草はしばらくやめようかとおもう。