焦燥感
いろんなことに焦っているくせに、ひとつも答を出しきれない。
「あせってますよ」と口にした自分の気持ちを甲州街道を走る車の往来を眺めながら確かめていた。
何かやらなきゃという気持ちと何かにならなきゃという気持ちが頭の中にぎっしり詰まっていて混在していて、大切なことにうまく触れられない。そんなに何かになることや何かをやることは重要なのか。
このままじゃあまたもとどおりだって頭では分かってるのに。目の前に何かがあると、誰かがいると、ひとつも言葉が出てこない。いつだってこうやって言葉をぜんぶ頭の中に溜めこんで塞ぎ込んでしまうんだ。
どこにいきたいのか正直よく分からない。だけどここにいちゃダメだって思ってる。ここにいたらあそこまでしか行けないと思ったから出て行くことにしたけれど、計画なんて何もない。どうすればいいのだろう、不安だ。
明日になったら何か変わるのだろうか。来年になったら何か変わるのか。10年後には変わってるのか。
先のことばかり考えてしまう。現在のことはいつになったら考えるのだろう。
そうだった、こうやって全部失ってきたのだった。
そこまでして何が欲しいのだろう。
全部手に入れたら満足なのか。
自分の気持ちを見失いはじめた。