すれ違い


醒めてしまった感情の行方を追いかけることをやめてみた。


あるいは自分を責めることの放棄。


きっとその先が見えていないのだろうな、と少しだけ先を生きる者からの目線。


自分もきっとそうやって見られているのだろう、少し先を行く人々から。



しばらくは心を平らにして祈りを捧げてみてもいいのかもしれない。

自分の中にいる「誰か」との対話。




まだ少し重いからもっと軽く。


トランク一つ分までに減らす作業。


ひとつひとつ、地道な作業。


出来ること、僅かなことを。




雨、晴れ、雨、の毎日。


トレンチコートのポケットに両手をつっこんで指先を動かしてみるけれど何も見つからず。



ようやく俯いて歩くことをやめるようになった。

足元ばかり見ていても何も見つかる気がしない。