no title


人間というものは望んでえたものをしっかりと握ってはいないで、愚かにももっといいものが欲しいと憧れ、
一番すばらしい幸福にも慣れっこになってしまうのです。
せっかくの太陽を見棄てて、冷たい露霜を暖めようとする。


ファウストゲーテ



しばらく日記を書きたいという気持ちになっているので、書く。

うまくいくこととうまくいかないことを一つずつ数え上げてみると、正直後者が多いような気がする。
うまくいかない理由は計画性のなさと実行力のなさに起因するのかもしれないし、しないのかもしれない。



今日は日が落ちる手前ぎりぎり少しの時間だけマンションの廊下から遠くを眺めながらビールを飲んでいた。
遠くの方に富士山が見える。やっぱり建物の中と外だったら、外の方が心地よい。


あれもない、これもない、と数えていてもキリがないことは分かってはいるが、じゃあ何が欲しいのかと問われれば最近はよく分からなくて言葉を濁してしまう。
「淡々とした日常が欲しいです」と答えたあとにくる煮えきれない気持ちと「毎日集中して自分のやるべきことをやりたいです」と答えたあとの不安な気持ち。
相反する感情に圧し潰されるときは大抵何も出来なくなってしまっていて、出口を探すことに苦労する。何かうまくいくパターンを探ると出てくるのはいくつかあって、そろそろMさんのところに駆け込む頃合いなのかもしれない。


毎日自分が出来るようになったことについてノートとパソコンのエディタに書き込んでいる。
これが積み重なって、自分はどこかに辿り着くのだろうか、と疑問に思う気持ちがないわけではない。

少しずつどこかに向かっているような、向かっていないような。
どこに向かっているのだったっけ。それを確認するために日記を書いているのかもしれないし、書きつづけるのかもしれない。
明日こそはきちんと向かい合おう。こうやって一日をなんとか無事今日も終わらせる。
すっかり忘れてしまっていたけれど、そういえばこうやって毎日を終わらせていたのだった、少し前までは。