暗闇から抜け出せ

シンポ二日目。

三時間くらいしか眠っておらず意識が朦朧とする中で朝食を食す。で、さっそく講演から。

まずは粘菌の研究をしている先生で、その手の研究は今までに何度か聴いたことがあったのだけれど、珍しく「面白いなあ」と思った。やっぱり実際に粘菌がうにゃーって動いているところを見ると、おお!となる。見た目のインパクトってプレゼンのときには大事だな、と痛感。シミュレーションとかも動いているところを見せるとなんとなくスゴイ。

次は、うちのボス。相変わらず浮いてるなあ、といった感じで面白かった。意識とか自律性の話をしていたのだけれど、まあ、知っていることばかりだった。ただ、個々の研究のつながりはよく知らなかったので、ふーんと思う。今更だけれど、ボスが何を問題にしているのかがかなり分かってきた。やっぱり何度も話を聴かないと分からないな。仲良くなった人たちと話していても「?」な感じだったので、「一回では分からないよ」と励ましておいた。

昼食後、二回目の輪講。昨日残念だった某先生が担当で、議論するのだけれど、いちいち「うそー!?」という意見ばかり言うのでつっかかってみた。そろそろ統計的な優位性を「普遍性」とか言う人はいないと思っていたのだけれど・・。なるべく喧嘩にならない程度にちくちく批判をしておいた。

その後、次の日の発表会の話し合い。ぐだぐだ話す。なんだかなー、といった感じのままポスター発表へ。色々話を聞く。似たような研究ばっかだなー、と思いちょっと残念がる。でも、まあ、色々な研究の話を聞くのはそれはそれで楽しい。先生たちをみているとどんどんツッコミをいれていたから、自分ももっとツッコミいれられないとダメだな、と反省。

ふらふらーっとしていると庭でバーベキュー大会(大会?)が。肉が全然焼けず面倒なので酒ばかり飲む。ボスと一緒に酔っ払いながら「お前さー」とか「だってうちのボスさー」とグダグダする。同じ部屋の関西の某私立大学の男が飲みまくって暴走しはじめるので、うひゃー、と傍目から見る。僕も結構飲んだのだけれど、暴走男の後輩が非常に真面目で研究のことを訊いてきてくれたので真面目な話を頭を使いながらしていたので酔いもあまりまわらず。とはいえ、結局飲みすぎでなんとかぎりぎり部屋へ帰りばたりと眠る。しかし後日発表があるため目を覚まし部屋で気持悪いなーと思っていたら暴走男が運ばれてくる。そして彼はぐったりしたまま三人で次の日の発表の準備。ということで、僕がアイデアをだして、パワポは他の人がつくり朝方終了。

何が良かったって、星がすごくきれいだった。東京ではカシオペヤ座のまわりの星はほとんどみえないのだけれど、ここではそれどころかカシオペヤ周辺一帯のかなり広い範囲に星が散らばっているのが観察された。オリオン座はこの時期東(たぶん東)の空に見えるらしい。東京ではあまり星見えないのだけれど、そうは言っても、もう少し星座を覚えたい。一冊本を買ってみよう。

自分はここで何をしているのだろうか、と思いながら廊下の柱にもたれかかってずっと夜空を眺めていたら流れ星が暗闇を横切った。ここに来る前のもやもやした気持はもう忘れ去っていた。