グッバイ、ストレンジャー

大学院生っぽい二日間。

15日。

昼からゼミ。ボスの話をふらふら聞きながら、やはり見ている方向は同じだけれど見たいものは違うのだろうなあということを確認。今後方向性が少しずつずれてくるかもしれないけれど、そのときはそのときだろうな、とか思いつつボスと今度いっしょにやろうと言っている研究の話をしたりOBや先輩の人々とご飯を食べながら議論をしていて、天気のいい日に小難しい議論だなんて楽しくて仕方がないなあ、と少し元気になった。*1その後も研究室にこもって色々設定。シミュレーションをやろうにも環境の設定が色々大変で、大変だよね大変だよねとブツブツやった。某音楽家Sさんが来ててスタイリストのスケザネさんと熱く語ったらしくて*2その話とかchenさんの話をしようかと思ったのだけれど、疲れたから早めに帰宅し、美味しくないご飯をつくった。

16日。

昼から輪講。自分の担当の番が何週も続いていて、困ったものなので困った感じで終了。風邪気味でイマイチ頭が働いていなくて証明をまったく与えることが出来ずに心の傷をお土産に研究室へ。ボスがいないせいか誰もいなくて、寂しいなあと思いつつ謎のセミナーへ。脳の話だということでコマバの住人の某脳科学徒Iさんがいるかなあと思ったら案の定いて、おお、と思いつつそもそも今日の人誰なのだろうかと思っていると途中でカルテックの下條さんの名前が出てきて、というか明らかにその筋の人だよねという話しっぷりから想像できたのだけれど、その筋の人だった。世の中には面白い事実というのがあって、*3脳が未来を予測して未来の世界を見てしまうという実験結果があって、それを聞きながらずっと「予測されたアブストラクトな世界が壊れてしまって、知覚された主観的世界が混沌とすることによって主体が右往左往してしまうような実験とかしたいよねー」と思って授業後に講演者に話したら「?」な顔をされてしまった。うちのボスだったらもっとわけわかんないこと言いはじめて二人で漫才が始まるのになー、と悲しんだのだけれど、まあ、仕方がないこれが現実だ受け入れろ自分、と「あるべき世界」や「あってほしい世界」ではなくて「ある世界」を見ることに努めようと試みたのだけれど、やっぱ無理でしょー、と思いセミナー後にIさんと談話。K子さんみたいな理論屋バリバリな人が来ると挑戦的なことを言うから面白いなあと思っていたのだけれど、自分ももっと挑戦的なことを言っていかないとダメだなあと反省した。脳科学にはまだまだ理論屋が飯を食うためのタネ(ネタ?)がたくさんありますよ、と言われて、これはA原さんも言っていたのだけれど、そりゃそうだ!、と思ったので、ということではないけれど、脳科学やっぱやりたいなー、と思った。*4ということで、次回の物理学会での発表は誰もが「?」の謎の実験のやつをやればいいとして、イギリスのやつはどうしようかなあと思うのだけれど、ボスがまた変な外人を連れてくるのでまた怪しい研究をやるはめになりそうで大変恐ろしいので、とりあえずAIの本はちゃんと読み通そうと心に誓った。なんとかチャレンジングな課題に面白いアプローチが出来ればよいのだけれど。だいぶ面白い人たちが周りに増えてきて面白くなってきた。やっぱりズレてる人は面白い。今いろんな人たちに「一緒にやろう」と言っているやつが全部動き始めると随分面白くなりそうなのだけれど、せっかくだからもっと派手にやらないとね、と思ったり思わなかったりするのはなんとか元気な証拠。帰り道に渋谷のHMVに寄って新譜をチェックすることも怠らないようにしたい。何か出るんだったっけ。

*1:あるエージェントが自律的に動いているかということを判断するときに必要な数学的な基盤を与えようという話・・。

*2:スケザネさんとか超話してみたい!!

*3:実験屋の醍醐味は、理論オンリーで予測できそうにないような面白い結果・事実を出すことにあるんじゃないかな?面白い実験をデザインする人こそ実験屋の鏡なんじゃないか、とか思ったり。

*4:ただ、理論屋の人間としては脳科学の実験は「自分(僕)が知りたいこと」を知るというゴールにたどり着くまでのコストパフォーマンスが低そうでいやだけれど。というような発言をするから理論屋は嫌われる。ということは知っている。