元気だしなよ。だしてよ。

昨日この街を出るつもりだったのだけれど、今日の間違いだった。まったく、困ったものだ。引越しの手伝いをシュウカツ中の友人たちに頼むわけにもいかず両親が我が家を訪れる。最近全然掃除していなかった部屋を見てなんなんだお前はと呆れられた。母親から本当に男はダメね、と言われて、はい、と。お父さんもいい加減ダメな人だけどアンタも本当に困ったもんだわ、とブツブツ言いながらも荷造り。本やら服やらがあまりの量で困ったなあと思っていたのだけれど、とりあえず捨ててしまおう、とかなりの量の本と服を手放した。あんた、お金ないのになんでこんなに服があるのよ、と訊かれ、そりゃあ稼いだ金をほとんど服に費やしてるからだろ、と僕。完全に呆顔。母親から、早く結婚しなさいよ、彼女連れてきなさいよ、でも子供はつくっちゃだめよあんた自分の身分をわきまえなさいよ、とか。本当に女の人というのは現実的だなあと思ったとか思わなかったとか。

結局、夕方までずっと荷造りをしていた。本当に色々なものを捨てた。学部のときの実験テキストとか見ながら「あー懐かしいこの実験」とか「電子回路!」とかはしゃいでいた。色々勉強したなー、と資料を見ながら思い出していたのだけれど、どれを見ても大体講義の内容が思い出せるので勉強したんだなー、って。本当に色んな分野に手を出した。楽しかったなー。

作業の途中でイトコから電話が。両親が東京に来ていることを知ってのことだろうかと思って話していると知らないらしい。なんだか知らないがトウキョウバナナを送って欲しいと言われ、いいよーとひとつ返事でオーケー。送り先は、って訊くと名前が変わっていて戸惑う。そうだった、結婚したんだったね。ばあちゃんの声が聞こえたから、ばあちゃんち?、って訊くと、代わるねーとばあちゃんが。元気しとるんか?、って訊かれて、元気じゃないかもー、と言うと、ええかげん広島に戻ってきんさいよ、と。うん、そろそろ帰るよー夏に帰るよー、って。

おお、焼肉食べながらお酒飲んだにも関わらず家でも梅酒を飲んで酔ってきた。結局夜まで作業をして終了。家はずいぶんきれいになった。今度の家にこんなに入るかなあって不安だ。この街の名残惜しさに夜は近所をぶらついた。五年かー、としみじみとこれまでの五年間を思い出す。色んなことがあったなこの街で。本当に色んなことがあった。

思い出は引きずるものではなくて増やすものなので、次に住む街でももっと増やしていこうと思う。サンキュー、椎名町!ナイスな下町だったぜ!!って、街じゃなくて町だ!!笑

Fishmans: Season