停滞
弱さを肯定することができなかった頃は苛立ちを周囲に撒き散らしていたような気がする。
怒鳴り散らすことで問題が解決するのならば、世界は憎しみに満ちてしまうね。
今の僕なら笑顔で愛を語らうことを選択するけどさ。
そんなことを考えながら新宿の街を当てもなく歩いていたら、目の前をものすごい勢いで鼠が駆け抜けて行った。
あれだけ大急ぎで四肢を動かしているのによく絡まって転んだりしないよな、と思わず感心してしまった。
そういえば口頭試問のあとIさんと話しているときに上空を飛んでいる鳥を眺めながら、よくもまああんなに器用に飛べるものだなあ、と感心したのだった。
感心ばかりしていないで、そろそろ動かなくてはいけない。
2月はもう半分以上過ぎ去っていった。