100514

感情が平らかに、緩やかに上り坂を登るような日々。

必要なものを選別して、次のステップへの準備。

進化学をはじめて学んだとき、その時間の流れの壮大さに畏怖を覚えた記憶がある。宇宙の誕生、生命の誕生から、動物が人間の形になるまでの長い長い一本道。世界史を学んだとき、なんとなく面白い感じがした。人間の誕生、国家の生成と消滅の歴史。前者は数十億年という単位で物事を考えて、後者は大体数千年から数万年くらい。自然科学は前者を、社会科学は後者を対象にしているように思われる。どうやら自分はどちらにも感心があるが、今は、後者、人間の歴史に感心が傾いているらしい。ギリシアで文明が誕生した頃の人間の想像力、神を交えた神話には本当にため息が出るくらい感動させられる。一方でギリシア哲学も非常に優れている。プラトンの『パイドン』はやはりエロースについての議論で、深い思考の世界に導かれる。それと同時に、人の心のいい加減さ、うつろいやすさについてもいくらか考えさせられて。


ようやく次にやることがまとまった。次にやること、というのは大体5年スパン。20代も終わってゆき、どこへ向かうのだろう。もちろん向かうのは、外。たっぷり内向きに問いをかけたので、次は外向きに。発散しがちな思考を収斂させる術もまたようやく身につけることができた。外へ、外へ。新しい言語、文化、思考。外へ向かい、そうしてそこから内を眺める。人間の魂は我々が生まれる前、そうやって身体に根付いたらしい。正しい行為は外へ向かい、内を眺めることなのだそうだ。


リュックひとつぶんまで荷物を減らしたら、気軽な気持ちで外に出て行いこう。