帰り道

西の空に沈んでいく夕日をすこしの間眺めてから、自転車をゆっくりと走らせる。2車線が平行して走る路面電車のレールの脇に設けられた一本道には紫陽花が植えてあって、夕方には家族連れとよくすれ違う。日露戦争の際に立てられたという記念碑のある神社を一…

100701

深夜に自分の書いた論文を眺めていた。自分自身と向き合うために書いた論文は拙い解析と拙い言葉で組み立てられているけれど、どれをとっても自分が考えたことで自分の言葉で、こいつを次にどこに連れて行ってやればいいのだろうか、と少しだけ途方に暮れて…

セレスティーヌのおいたち くまのアーネストおじさん作者: ガブリエルバンサン,Gabrielle Vincent,もりひさし出版社/メーカー: BL出版発売日: 2003/01メディア: 大型本 クリック: 4回この商品を含むブログ (11件) を見る 難解な言葉よりシンプルな言葉で。筆…

no title

夕食後に皿洗いをしながら自分にとっての幸せというのはどういうかたちなのだろうか、と自分に問いかけていた。人に名前を知られること、たくさんお金をもらうこと、自分の能力が生かされること、愛する人たちと一緒に暮らすこと、毎日が平穏に過ぎてゆくこ…

Komm tanz mit mir

夏だなあ、なんてことをぼんやり思いながら、窓の外を見ている。 午前中に簡単な仕事を終わらせれば、気持ちのよい午後を迎えられる。先週頭に体調を崩してから週末まで調子が出なかったけれど、今週は調子が出るのではないか、と期待している。 日々は特別…

no title

体調が優れずも、お昼ごろに六本木へ。つらつらつらとお話をして帰宅。どうやら普段会わないタイプの人と会うとストレスがたまるらしく、もっとサバサバと対処しないとなあ、と帰り道の電車の中でぼんやりと考えていた。 自分の好きなものや、やりたいことは…

100514

感情が平らかに、緩やかに上り坂を登るような日々。必要なものを選別して、次のステップへの準備。進化学をはじめて学んだとき、その時間の流れの壮大さに畏怖を覚えた記憶がある。宇宙の誕生、生命の誕生から、動物が人間の形になるまでの長い長い一本道。…

100515

目が覚めて快晴の空。昨日練った計画通りに自転車に乗って羽根木公園を迂回して梅ヶ丘の図書館へ。6月にEさんがアメリカから帰ってくるらしく、ジッドの『狭き門』を借りておいた。他には、週末に散歩に出かけるための本。最近の興味はひたすら植物。6月末に…

それから 夏目漱石ただただ傑作。あまりの物語のうまさ、心理描写の巧みさに、ほれぼれしていた。あるいはあの狂気。人間であるということは、狂気であるということなのだろう。十代のときに読んでいた漱石の作品とはまったくちがった見え方がした。読み継が…

電車の中でプラトンの『饗宴』を読みながらエロース(愛)とやらについてぐだぐだ考えていたら、向かいの席に若い女の子が二人座った。お互いに、今付き合っているという男の子のことや友人のことを大きな声で酷評しており、どうやら二人ともとにかく恰好の…

no title

広島に帰って一週間経った。細い心を携えて向かった故郷の日々はそれほど楽しいわけでもなく、楽しくないわけでもなく。良い意味でも悪い意味でもなく、しばらくは帰る必要はないのだということを感じた。帰る場所は逆向きで、そろそろ東京へ向かって帰る。…

最近読んだ本の一部

ムッシュー・テスト ポール・ヴァレリーどんな話なのかは知っていたけれど、読んでいなかったので。テスト氏の「分からなさ」に人々が魅了される話なのだけれど、あまり好きではなかった。分かりにくいことが面白い、偉い、という考え方を放棄したからだと思…

no title

大体いつもそうなのだけれど、今日も懲りずに白紙、ではなくて白画面のgeditというエディタに向かって何か書いてみる。 新宿の黒く汚れたコンクリの道路の上を歩く人にはみな等しく分けられた時間が与えられていて、各々自分の仕事に忙しい。スーツ姿のサラ…

相変わらずキリシア文学、ギリシア哲学。来月からは海外で読まれている本(英米の現代文学とか、ビジネス書とか)にも手を出してみたい、分かりやすく書かれた英語くらいしか読めないけれど。インターネットにおける言語の壁はよく言及されるのだけれど、本…

100420

ぐずぐずした天気がまるで自分の心持ちのよう。父親から受け取った受信メールには「雪が降ったり天気が悪いけれど、お前の気持ちもぐずぐずしているんじゃないのか?」と書かれていた。ここ2、3年で不思議と父との距離が縮まった。バラバラだった家族も最近…

シェイクスピア ハムレットQ1 素晴らしく面白かった。シェイクスピアの美しい詩と登場人物の魅力的な台詞の数々、物語性。大変有名な台詞、「To be, or not to be」を無事拝むことができた。ところでQ1というのは第1クォートというかつてより海賊版として流…

no title

ひたすらつぶやくWebサービスに一時期ずいぶんとはまったのだが、 何故だか急激にさめてしまった。 しばらくは自分の仕事をすることに集中したい。 少しずつ無理がたたってか体調が悪く頭の働きも鈍い。(無駄な動きが多すぎる)無理かも、とか思いながらも…

no title

四月もなかばだというのに雪(のような雨)が降っているとても寒い。 今日もネットは生きていたらしい(あまり観察していなかったけれど)ネットって生きているのだろうか、やはり。何が生きていて何が生きていないのか。 ギリシア哲学の本をつらつらと眺め…

no title

山崎ナオコーラが穂村弘との対談で(ネットで人がネみなガティブだということが分かってしまって悲しくて)「ネット死ね」と言っていて大笑いした。(なんだかM下クンみたいなことを言っていて可笑しくて)思わず「ネット死ね」とケータイから文字を打って自…

アリストパネス 女の平和 世界史を勉強した人は誰だって知っている古典。男たちの戦争を止めるために女たちがセックスストライキを行う喜劇、と言われているけれど、さほど喜劇には思われなかった。現代でいうところの「下ネタ」満載ではあるのだけれど。物…

最近

そーたいせーりろんのアルバムがすばらしい。ジム・オルークが出したカバーアルバムも結構いい。MGMTもすばらしい。 マイハートハードピンチ

no title

天気が優れず体調も傾きつつあり停滞。立て直す必要があるのだが、なかなかうまくいかない。晴れた日に散歩をしたりするのが一番効果があるのだけれどなあ。 部屋が荒れてきた 生活も少しずつ 注意が必要 それにしても感情がなだらかゆるやかさわやかなあさ…

ソポクレス アンティゴネー 傑作。オイディプス王の続き。オイディプスの娘アンティゴネーの誇り高い行動に心打たれたり。なにより美しい詩。ただし悲劇。 ギリシア文学・哲学への関心が続いていることにすこし驚いている。西欧の芸術や文化を通して日本の文…

no title

仕事をしなければいけない。(いけなくはないけれど。) 大体いつも短距離走者で、集中して一気にやってしまうのであまり心配していないのだけれど、とはいえ緊張感がなさすぎるのでハッパをかけてもらいたい気もしている。(あるいは締切りがほしい。) あ…

読んだ本

ルソー 孤独な散歩者の夢想 ルソー晩年の作品。晩年は植物学に傾倒したらしい。自分の子供を孤児院に入れたり、といろいろ奇行じみたこともやっていたようだけれど、ごくごく普通の回想録だった。ジョン・ケージも晩年は熱心にキノコ採集を行ったようだし、…

すれ違い

醒めてしまった感情の行方を追いかけることをやめてみた。 あるいは自分を責めることの放棄。 きっとその先が見えていないのだろうな、と少しだけ先を生きる者からの目線。 自分もきっとそうやって見られているのだろう、少し先を行く人々から。 しばらくは…

最近読んだ本の一部

ホイットマン おれにはアメリカの歌声が聴こえるトマス・マン ヴェネツィアに死すスティーヴンソン ジーキル先生とハイド氏ヘミングウェイ 老人と海ソポクレス オイディプス王 古典を片っ端から読んでみようかな、と目論んでいる。一番面白かったのはオイデ…

no title

ときどき人生は長いのか短いのか分からなくなることがある。あとどれくらい時間が残されているのか分からないのだから当然なのだけれど。どれだけ長くても70年だろうな。短いと、これを書いた直後で終了?

no title

深夜の京王線沿いの舗装された道を歩けば革靴の硬い底が灰色のコンクリの凸凹にぶつかりはね返った音が遠くまで響いていく。音の速さは列車の速さよりも随分と速いので先にあちら側のホームにたどり着くはずだが、空気中を伝わる音の波は拡散あるいは弱まっ…

読んでいる本

スタンダール 『赤と黒』下巻 継続中 - 長い!ラオ 『統計学とは何か』 継続中ウェルギリウス 『牧歌/農耕詩』他多数 相変わらずビジネス書から小説、詩集まで片っ端から全部。暇つぶしに立ち読みで読んだ林望の『恋の歌、恋の物語』は意外と面白くて、万葉…